導入文
「調剤薬局って、病院と比べてどうなんだろう」
転職前、私はそれが一番気になっていました。
病院薬剤師として3年間働いた経験はあっても、
調剤薬局で実際に働くイメージが
なかなか湧かなかったんです。
実習でほんの少し経験しただけで、
日常業務としてどう違うのか、
正直わかりませんでした。
転職してみると、
「良い意味で驚いたこと」も
「戸惑ったこと」も、
どちらもありました。
この記事では、病院薬剤師から
調剤薬局に転職して驚いたことを
10個、正直にお伝えします。
転職を考えている方に、
「こういうことが待っているんだ」という
リアルなイメージを持っていただけれ
幸いです。
この記事でわかること
- 病院薬剤師が調剤薬局に転職してギャップを感じるポイント
- 良い意味での驚き・戸惑いの両方をリアルに解説
- 転職前に知っておくと心の準備ができること
結論
調剤薬局への転職は、
良い意味でも悪い意味でも
「想像と違う」ことがたくさんあります。
ギャップをゼロにすることはできませんが、
事前に知っておくだけで
転職後のストレスは大きく減ります。
良い意味で驚いたこと5選
① 患者さんとの継続的な関わりが想像以上に深かった
これが一番の驚きでした。
病院薬剤師時代は、
患者さんが退院するとそれで関係が終わりでした。
「その後どうなったのか」を知ることは
ほとんどできませんでした。
調剤薬局に転職して最初に感じたのは、
同じ患者さんが毎月来てくれるという
当たり前のようで特別な体験でした。
「先月より体調が良くなりました」
「先生に薬を変えてもらったんですよ」
そういった会話が積み重なっていくうちに、
患者さんの生活・体調・家族構成まで
自然と把握できるようになりました。
「先生には言いにくいけど、
薬剤師さんには話せる」と言っていただく場面も
増えてきました。
転職前に漠然と求めていた
「継続的な患者関わり」が、
想像以上の形で実現されていたことに
心から感動しました。
② 給与明細を見て思わず二度見した
転職後、最初の給与明細を見たとき、
正直驚きました。
病院時代の年収は約470万円。
調剤薬局に転職した後は約550万円。
同じ薬剤師として働いているのに、
勤務時間は減って、当直もなくなって、
それで年収が上がる。
「なんでもっと早く転職しなかったんだろう」と
思ったのが本音です。
もちろん薬局によって差はあります。
ただ、病院薬剤師から調剤薬局への転職で
年収が上がるケースは多いです。
③ 残業・当直がなくなって最初は拍子抜けした
病院時代は月4〜5回の当直と、
月30〜40時間の残業が当たり前でした。
転職後の初日、定時の18時に帰宅したとき、
「これでいいのか?」と
逆に落ち着かない感覚がありました。
最初の1ヶ月は、早く帰れることへの
罪悪感に近いものを感じていたほどです。
でも2ヶ月もすれば慣れてきて、
増えた時間で趣味に使えるようになり、
仕事終わりにジムにいったり映画をみたり
体力的・精神的な余裕が
明らかに生まれました。
筋肉も増えてメンタルも安定して今は最高です。
「こんなに違うのか」と感じた
大きな転換点でした。
④ 医師への疑義照会がしやすかった
病院薬剤師時代、医師への疑義照会は
気を遣う場面のひとつでした。
色々な医師に疑義照会をかける必要があり、
医師によっては常に機嫌が悪く電話したくないと感じる人も少なくありませんでした。
「忙しいのにまた来た」という空気を
感じることもありました。
調剤薬局では、処方医への疑義照会は
電話や、FAXで完結することが多く、
多くは医師に直接つながらないため、
プレッシャーなく確認できることが多いです。
関係性のできている医師には
むしろ「気づいてくれてありがとう」と
言ってもらえる先生もいて、
病院時代より疑義照会への心理的ハードルが
低くなりました。
⑤ OTC・サプリへの質問対応で
薬剤師としての幅が広がった
調剤薬局では、
処方箋対応だけでなく
OTC医薬品やサプリメントへの
質問対応も求められます。
最初は「答えられるかな」と
不安でしたが、
これが意外と楽しかったです。
病院での臨床知識が、
OTC・サプリの説明に
思いのほか活かせることを発見しました。
「処方箋薬剤師」から
「地域の健康相談員」へと
自分の役割が広がっていく感覚が
やりがいにつながっています。
戸惑い・想定外だったこと5選
⑥ 薬歴記載の量と質に最初は戸惑った
調剤薬局に転職して最初に苦労したのが、
薬歴(薬剤服用歴)の記載でした。
病院でも記録業務はありましたが、
調剤薬局の薬歴は
「患者さんとの会話の中から情報を拾い、
SOAP形式で記録する」という
独自のスキルが必要でした。
最初の数週間は、
薬歴を書くのに時間がかかりすぎて、
業務のリズムをつかめないことがありました。
「病院での記録業務とは別物だ」と
早めに気づいて、
先輩の薬歴を参考にしながら
スタイルを身につけていきました。
転職前に「薬歴の書き方」を
少し学んでおくだけで、
入職後のストレスはかなり減ると思います。
⑦ スタッフの少なさに最初は不安を感じた
病院には大きな薬剤部があり、
常に複数のスタッフが周りにいました。
調剤薬局は、多くても薬剤師2〜3人、
事務スタッフ数人という
小規模な環境です。
最初は「質問できる先輩が少ない」
「困ったときに相談できるか」という
不安を感じました。
実際に働いてみると、
少人数だからこそ
スタッフ同士の距離が近く、
相談しやすい面もあります。
ただし、誰かが休んだときの
業務負担の増加は
少人数薬局の現実として
受け入れる必要があります。
転職前に「スタッフ何人体制か」を
確認しておくことを強くおすすめします。
⑧ OTC・サプリの質問に
最初は戸惑うこともあった
良い驚きとして紹介しましたが、
最初はやはり戸惑う場面もありました。
病院では処方薬が中心でしたが、
調剤薬局では「市販の風邪薬はどれがいいですか?」
「このサプリは処方薬と一緒に飲めますか?」
といった質問が日常的にあります。
OTC・サプリの知識は
病院薬剤師として深く学ぶ機会が
少なかったため、
入職後に独学で補う必要がありました。
OTC医薬品の基礎を
転職前に少し学んでおくと
スムーズに対応できます。
⑨ 業務の「単調さ」を感じた時期があった
転職後しばらくして、
「毎日同じような処方が続く」という
感覚が出てきた時期がありました。
病院は毎日違う患者さん・違う疾患・
違う薬の組み合わせで、
良い意味で刺激が多かったです。
調剤薬局は、
繰り返し来局される患者さんが多く、
処方内容もある程度パターン化されます。
ただ、これは見方が変わりました。
「繰り返し来てくれる」ということは、
信頼関係が積み重なっているということ。
「単調」に感じていたものが、
「継続的な関わり」というやりがいに
変わっていきました。
転職直後の「単調感」は、
多くの病院薬剤師が通る道だと思います。
⑩ 病院薬剤師の経験が
思った以上に評価された
「調剤経験が少ないから不利かも」と
転職前に不安でしたが、
実際は逆でした。
病院での臨床経験は、
調剤薬局側から高く評価されました。
「病院での疾患知識・服薬指導の視点が
調剤薬局で活かせる」という評価です。
入職後も、患者さんの処方内容から
疾患の背景を読み取る力は
病院時代に培ったものが
そのまま活きています。
「病院での経験は無駄にならない」むしろプラスと
自信を持って言えます。
転職前に知っておけばよかったこと
10個の驚きを踏まえて、
転職前に準備しておくと良いことを
まとめます。
転職前の準備チェックリスト
- 薬歴(SOAP形式)の基本的な書き方を確認しておく
- OTC医薬品の基礎知識(風邪薬・胃腸薬・鎮痛剤)を復習しておく
- 転職先のスタッフ構成・人数を事前に確認しておく
- 「業務の単調さを感じる時期がある」ことを心の準備として持っておく
- 病院経験は強みとして自信を持ってアピールする
まとめ
この記事のまとめ
良い意味での驚き
- 患者さんとの継続的な関わりが想像以上に深かった
- 給与明細を見て驚いた(年収約80万円アップ)
- 残業・当直がなくなって生活が激変した
- 医師への疑義照会がしやすかった
- OTC・サプリ対応で薬剤師としての幅が広がった
戸惑い・想定外だったこと
- 薬歴記載のスキルが思ったより必要だった
- スタッフの少なさに最初は不安を感じた
- OTC・サプリの質問に戸惑う場面があった
- 業務の単調さを感じた時期があった
- 病院経験が思った以上に評価されて驚いた(良い意味で)
転職前に「全部わかる」ことはできません。
でも、こういったリアルな情報を
事前に知っておくことで、
転職後のギャップを小さくすることができます。
転職するか迷っているなら、
まずは情報収集だけでも十分価値があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 病院薬剤師は調剤薬局で通用しますか?
A. 十分通用します。
むしろ病院での臨床経験・疾患知識は
調剤薬局側から高く評価されます。
「調剤経験が少ない」という不安より、
「病院で培ったスキルをどう活かすか」を
アピールすることが大切です。
Q. 薬歴の書き方は独学できますか?
A. できます。
SOAP形式の基本はネットや書籍で学べます。
また入職後に先輩の薬歴を参考にしながら
スタイルを身につけていくのが一般的です。
「最初からうまく書けなくて当然」という
心構えを持っておきましょう。
Q. 調剤薬局は本当に残業が少ないですか?
A. 職場によって差はありますが、
病院と比べると残業・当直がなく
勤務時間が安定しているケースが多いです。
転職前に「月平均残業時間」を
エージェント経由で確認しておきましょう。
Q. 病院からの転職で年収は必ず上がりますか?
A. 必ずとは言えませんが、
多くのケースで上がります。
私自身は年収が約80万円アップしました。
転職先の職種・規模・地域によって差があるため、
給与交渉をエージェントに任せることが
年収アップへの近道です。
Q. 調剤薬局で働いて後悔していますか?
A. していません。
「転職して正解だった」と思っています。
ただし「完璧な職場」はどこにもなく、
良い点も悪い点もあります。
この記事で紹介した10選が、
等身大の現実だと思っていただければ幸いです。
もっと細かい点について気になる方は下のLINEから連絡していただけるとお答えいたします。
監修者プロフィール
ラビ薬剤師(運営者)
薬剤師免許取得後、病院薬剤師として3年間勤務
(急性期病院・病棟業務・当直経験あり)。
m3.com転職を利用して調剤薬局へ転職し現在3年目。
転職後にファルマスタッフへ登録し対面面談の質の高さを実感。
小児科・感染症領域を得意とする。
「実際に転職した薬剤師が本音で語る」をコンセプトに、
薬剤師の転職情報を発信中。
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